隣接面カリエス むし歯
こんにちは。
目白バイオインプラントセンター・田中歯科クリニック
の田中宏和です。
本日は、隣接面(隣り合った歯の側面)のむし歯
についてです。
大人になってからのむし歯の多くはこの隣接面に
発症しているのです。
「毎日、ちゃんと磨いてるよぉ~!」
という方。。
歯ブラシ以外の歯間ブラシやデンタル・フロスは
お使いになっているでしょうか?
実は、歯ブラシだけではどんなに頑張っても
口腔内のプラークや細菌は70%程度しか
除去できないのです。
こちらをご覧ください。
口腔内カメラで拡大されていますので
少し怪しいのがわかるのですが
肉眼で見ている分には
一見するとさほど問題がないように思われます。
しかしズキズキとした拍動痛があるとの
訴えでレントゲン撮影を行いました。
すると・・・
赤の矢印で指しているレントゲンの黒い箇所が
隣接面カリエスです。
かなり大きく進行してしまっていますね・・
このようなむし歯は初期の段階で発見することは
非常に難しいのです。
なぜなら咬合面(歯を上から見た食片をすりつぶす面)
のむし歯は目視できますし、ご自身で気づいて
来院される方も多いです。
ご存知のように、歯の表層はエナメル質という
非常に硬い組織で覆われています。
隣接面からむし歯が発症して、最後にこの咬合面の
エナメル質を脱灰(とかす)して穴が開いた時には
相当、むし歯は進行しているのです。
今回のように患者さんの訴えがあったり
目視で歯質が透過しているのが確認できて
そこを疑ってレントゲンを撮るなりしないと
見つけられないものなのです。
上から穴を開けてみると
中から大きくむし歯が広がっているのが
確認できました。
こういうのはもったいないですね・・・
デンタル・フロス(あるいは糸ようじ)や
歯間ブラシを併用していただいていれば
こういったむし歯の発症、あるいは進行を
防ぐことができたかもしれません。
そんなのめんどくさいよぉ~
とおっしゃらずにぜひ習慣にしていただきたいと
思います。
慣れないうちは、時間がかかるかもしれませんが
習慣にしてしまえば1分程度ですべての隣接面に
デンタル・フロスを通すことができるように
なります。
通常は1日に1回でいいと思います。
ぜひやってみてください。
歯科医としてはやらないと気持ちが悪い・・・
と感じるくらいになっていただきたいですね。
サンスターのHPにデンタル・フロスと歯間ブラシの
使い方が丁寧に書いてあるので載せておきます。
http://jp.sunstar.com/useful/usage/interdentalbrush/
これらの補助的な口腔内清掃器具を併用して
初めて100%に近く汚れを取り除くことが
できるわけです。
間違った使い方は歯肉を痛めたりしますので
不安な方は一度、歯科医院で教えてもらうのが
良いと思います。
最後に映画「プリティ・ウーマン」で
ジュリア・ロバーツがデンタル・フロスを
使っている有名なシーンです。笑