骨があるところに・・ インプラント
こんにちは。
目白バイオインプラントセンター・田中歯科クリニック
の田中宏和です。
本日はインプラントの一症例を。
我々がインプラントの埋入手術を行う際に
できればしっかりした骨が長さ、幅共に十分の量が
あれば、歯軸の方向に(力が掛かる方向に)対して
普通に入れたいわけです。
しかし実際の臨床では、必ずしもそうではない
ケースもありそこが歯科医の腕の見せ所になります。
垂直的な骨の長さが足りなければ
あるいは水平的に骨幅がなければ
それぞれテクニックを用いて骨量、骨幅をそれぞれ
増やして(補てんして)フィクスチャーを埋入します。
術前のレントゲンです。
左上の画像の矢印のところの歯根が
破折してしまった症例です。
ブリッジが施されているのでカットして
破折した歯根を抜去、即時埋入します。
またブリッジのポンティック部分にも
普通に1本、計2本の埋入を行います。
しかしながらCTによる検査では、骨のある方向が
隣同士で著しく違っています。
(それぞれの赤いラインが方向になります)
ちょうど歯列のU字型のコーナーに当たる部分ですので
たまにこんなケースに遭遇します。
私は「骨があるところに入れる」を原則にしていますので
(Dr.によっては意見が相違すると思います)
隣り合ったインプラントをそれぞれ骨のある方向に
向かって1本は歯軸の方向へ、もう1本は斜め打ち
することにしました。
このままでは上部構造を作る際に方向が違いすぎますので
片方は角度付きアバットメントを用いて
方向を修正しました。
似たようなケースであっても違うやり方を選択する
場合もあります。
この場合は方向は違いますが、骨の長さ、幅共に
十分な量があったのでこのやり方を選びました。
この患者さんはこれで10年間、何のトラブルもなく
経過しております。
みなさま、楽しい週末をお過ごしください (^^♪